「処方箋なしで薬はもらえる?」という患者さん。調剤薬局の対応

調剤事務の仕事

こんにちは、夏雲です。

毎日受付していると月に1回は言われる、この質問。

答えは残念ながら、ノー。

なぜかというと、患者さんが病院でもらうお薬は医療用医薬品というもので、医師の処方がなくては渡せないという法律があるんです。

だから、調剤薬局では処方箋がないとお薬は渡せません。

患者さんがそう聞きたくなる理由もよく聞くのですが、めちゃくちゃ共感します。

そこで今回は、この質問をする患者さん側の理由とその理由に対して調剤薬局がどういう対応をとっているのかについて紹介したいと思います。

処方箋の期限など扱い方についても触れているので、少しでも誰かのお役に立てれば嬉しいです。

受診までの待ち時間が長い

処方箋なしで薬がほしい理由、圧倒的第1位。

「いつもの薬が欲しいだけなんだけど、受診するまでに時間がかかりすぎるから診察なしで薬が欲しい」

っていう患者さんが一番多いです。

病院によっていろいろだと思うけど、長いとこだと受診まで3時間待ったっていう患者さんもいます。

それだけ待たされてなおかつ薬局でも待たないといけないと思ったら、いつもの薬だけ薬局で渡してほしいと思っちゃいますよね。

受診はかかせませんが、薬局での待ち時間を少なくする対処法はあります。

対処法

残念ながら受診までの待ち時間は、薬局ではどうにもできません。(^_^;)

長い待ち時間を有効活用できる方法として思い浮かぶのは、

  • 待ち時間に外出できるかどうか病院に確認する
  • 受付番号をスマホで確認できるアイチケットなどを採用している病院に行く

これらの方法があると思いますので、かかりつけの病院やクリニックに確認してみてくださいね。

薬局では、投薬までの待ち時間を減らす方が2つあります。

  • 受診後すぐに薬局へ処方箋を持参、一旦帰宅又は外出後、4日以内にお薬を受け取る。
  • 病院から薬局へ処方箋のFAXを依頼し、4日以内に薬局へ原本を持参しお薬を受け取る。

4日以内というのは処方箋の有効期限です。処方箋発行日から4日を超えるとお薬は受け取れなくなりますので注意してくださいね。

②の場合は、これから受け取る薬局でお薬をもらうのが初めてではなくて2回目以降になるのが望ましいです。

何故かというと、患者さん病歴や他の服用薬などを確認してからでないと調剤できないこともあるからです。

つまり、時間を節約したくてFAXしてもらったのに、あとで薬局へ行ったらまだお薬ができていなかったということもあり得ます。

というわけで、時間を節約したい方にはこの二つの方法を使ってみることをおすすめします。

処方箋の期限が切れた

処方箋の期限は処方が出た日を含めて4日間と法律で決まっているんです。

大事な用事があったりすると、あっという間に過ぎてしまうので注意が必要です。

とくに注意なのは、土日祝日のある週末を挟む場合。

薬局が休みの間に4日間の期限が切れてしまいお薬がもらえなくなってしまった!という患者さんも実際にいます。

土日祝日に営業している調剤薬局もありますので、もし土日祝日に処方箋の期限が切れそうだと気づいたら土日祝日も営業している薬局を探してみてくださいね。

対処法

処方箋の期限が切れると、自費での再受診が基本ルールです。

期限が切れてしまった処方箋は無効になるので、考え方は処方箋がないのと一緒なんですよね。

だからそのままでは薬局で調剤ができません。

さらに、再受診は、保険適用外になりますので自費になります。

つまり、受診代、お薬代ともに自費になります。

だけど、私の経験上、病院によっては当日までの期限に書き換えてくれたり、延ばしてくれたり、期限を書き換えた処方箋を郵送してくれるところもありました。

病院によってさまざまな対応をとっているので、その場で電話で処方元の医療機関に聞いてみることもあります。

私の経験では、患者さん本人に処方箋をもって病院へ行ってもらって期限を延ばしてもらうというパターンが多いですね。

もし、手持ちの処方箋の期限が切れたと気づいたときは、処方元の病院へ相談してみるのが一番早いと思います。

処方箋をなくした

「処方箋がなくなっちゃったから処方箋なしで薬が欲しい!」という人もたまにいらっしゃいます。

紛失自体は誰にでもあることだと思いますが、処方箋を紛失すると、同じお薬をもらうには保険が使えなくなりさらに負担が増えるのでご注意ください。

対処法

処方箋の紛失も、期限が切れた時と同じく、自費での再受診がルールになっています。

世の中の実際の対応はどうなのかというと、処方箋紛失の場合はほとんどの場合ルール通りです。

私の経験上でもほとんどの場合、自費での再受診になります。

処方箋の期限切れの場合は、期限を延ばせて追加金はいらないという病院でも、紛失の場合はきっぱりと自費対応しているところが多いです。

ほんの一部の病院では郵送してくれたり、無料で再発行してくれるところもありましたが、経験ではかなり少ないですね。

期限切れと紛失、どちらもルールでは自費だけど、紛失した処方箋を悪用する人もいるかもしれない危険性を考えて、期限切れと紛失で対応を分けているのかと予想しています。

一般薬を勧めたこともある

どうしても今日は受診したくない・・・。

という患者さんの中には、薬剤師がすすめた一般薬をドラッグストアへ買いに行った患者さんもいました。

いつも飲んでいる内服薬や外用薬と同じ成分または似たような成分のお薬がドラッグストアにも売っているかもしれません。

『自分が飲んでいるお薬と同じ成分のお薬が一般薬で発売されているのか?』

こんな疑問にも答えてくれて、飲み方の相談もできるのが薬局の薬剤師です。

一般薬は保険適用外なので金額は少し高くはなりますが、どうしても病院への受診ができないときは、一般薬について薬剤師に相談してみるのもおすすめです。

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