昨日は、娘と二人で、いつもは行かない公園に遊びに行きました。
その公園は、車で5分くらいの場所にあるのですが、子どもを連れて歩いて行くには少し遠い場所にあります。
今日は、その公園の近くで用事があったので、初めて遊びに行きました。
入れ代わり立ち代わりに子供たちが集まってくるような人気のある公園で、つねに子供たちでにぎわっていました。
人気の理由は、大きなアスレチック。小さい子から中学生くらいの子までの子が遊びに来ていました。
家の近所の、あの人気のない静かな公園も好きだけど、たまにはこんな公園も娘の刺激になっていいでしょう。
ピノ少女
大きなアスレチックの隣の小さい子用のアスレチックで娘が遊んでいたときのこと。
私と娘の背後から小4くらいの女の子が走ってきて、ひょいひょいと高い場所へ上っていきました。
野生のうさぎみたいな素早い動き。
動きが止まると、上の方で日陰になっているところに座り込んで、手に持っていた大きな箱から小袋のアイスを取り出して食べ始めた。
もっていた箱は、ピノのファミリーパック。
家の冷凍庫から、箱ごと持ってきたという感じです。
この暑さでは、アイスがすぐに溶けてしまうと思うけど。
どうして家で食べて来ずに、この炎天下の公園まで持ってくるのかな。
その子のことが気になったので見ていると、やはり、少女の手の中にあるアイスはほとんど解けてしまっています。
アイスを食べた後は、手の平で口を拭い、その手は洋服の裾で拭いていました。
仕草が慣れていたので、いつもこの公園で食べているのかもしれないなあ。
私はそんなことを考えていると、娘が、自分の上の方でお姉ちゃんが何か食べていることに気づいたようです。
娘は、まっすぐにお姉ちゃんのほうへ駆けて行きます。
何をしに行くのか見ていると、娘は少女に、「何食べてるの~?」と聞いていました。
なんだか、餌を欲しがっている子犬みたいです。
その少女は、娘に「食べるか?」と聞いて、コクリと娘がうなずくのを待ってから、箱の中へ手を突っ込み、小袋を一つ取り出して娘にくれました。
めちゃくちゃ優しい子でびっくり。
喜んだ娘は私に「袋あけて~」ともってきました。
食べ終わってから、またお姉ちゃんのところへ行く娘。
次は何をしに行くのかと見守っていると、「もうなくなった?」と聞いていました。(笑)
それ以上もらうのは少女に悪いなと思って、親として止めに行こうとしましたが、間に合いませんでした。
少女が「もう一つ食べるか?」と言って、娘に渡しているところだったから。
「アイスなくならない?」と私が聞いたら、「家にもう一箱あるんでいいんですよ」と言う少女。
大人の私に対してだからか、敬語です。もうこれくらいの子でも、精神的に大人なんだなと思いました。
炎天下でファミリーパックのアイスを溶かしそうになっている行動とは反対で、ちぐはぐなところが可愛いかったです。
思い切って、「こんな暑いところでアイス食べてたら、溶けない?」とずっと気になっていたことを聞くと、急につまらなそうな顔になって「溶けない」と言いました。
私、詰まんない質問しちゃったみたい。
2つ目を食べていた娘が、「おなかいっぱい」と言ったので、残りを食べさせてもらいました。
ひんやり甘くてイチゴの味が口の中に広がった。
めちゃくちゃ美味しい。
日差しで熱くなって疲れていた体が、一瞬で涼しく元気になった気がしました。
溶けてても、ぜんぜん美味しい。
なるほど、これは、クセになるね。
ここでこれを食べるのがあの子のお気に入りなんだね。
私って本当、詰まんない質問するなー。
シンプルになれない大人
この炎天下でアイスを食べるあの子を見て、まず私が考えたことは、こんな暑いところで食べてたらすぐ溶けるじゃんとか、ごみどうするの?とか、手汚れそう、とか、そんなこと。
もらったアイスは溶けてたし、ごみは帰るまでずっと持ってる羽目になったし、手も汚れたけど、食べて良かった。
余計なことを考えて、食べなくて良かった。まあ、食べるしかない状況だったわけだけど。
こんな状況に追い込まれないと、私は食べなかった。
何も考えず食べてみれば、そんなこと気にならなくなるくらい美味しいこともあるんだ、と思いました。
最近は、いろいろ考えすぎている気がします。
子育てをしているからか、とくにそう感じる。
子供が危なくないように、後で自分が苦労しないように、その場で計算して動いてしまっている気がする。
そういう計算は、子どもの安全や効率化の面では、役に立っているかもしれないけれど、計算が先に働いて、素直に幸せを感じにくくなりそうというか。
なんというか、思ったままシンプルに行動すれば見つけられる幸せなこともあるかもしれないのに。
今の私は、若いときに比べて、シンプルに行動することが難しくなっている。
炎天下で溶けかけのアイスを食べる少女の姿が、そんな私にとってはめちゃくちゃ印象的で、自分もこんなふうにシンプルになりたいな、と羨ましく思ったのです。
あと、気になったことをその場で聞きに行く娘も。
損得や、時間や人にどうみられるかなど関係なく、私もあの子や娘のように、シンプルに生きることがあってもいいんだよね。
そして、子どものシンプルさは守ってあげたい。
大人の複雑な答えを押し付けないように。
帰りに、遊んでいたピノの少女に「バイバイ」とお礼を言いました。
大きなピノの箱は、ベンチに置いてありました。
中身は、もう全部溶けてしまっているだろうけど。
だけど少女は、アイスが溶けるかどうかなど心配している様子はなく、友達と楽しそうに遊んでいました。
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