仕事の話 調剤報酬改定と薬局の事情

4月に入りましたが、肌寒い朝が続いています。

北陸の私の住んでいる地域では、昨日の最高気温は14度ですが、起きてすぐはまだ5~6度と低いです。

朝方と、夕方から夜はエアコンつけています。

昨日は、薬局へ出勤しました。仕事は調剤薬局事務です。

4月に調剤報酬改定されたので、いつもよりも緊張感のある職場でした。

調剤報酬改定

医療業界では、2年に一回、お薬代や診療代の値段が、一部変更される機会があります。

調剤薬局に対しては、『調剤報酬改定』、病院・クリニックに対しては『診療報酬改定』、介護支援施設に対しては、『介護報酬改定』というものが政府によって出されます。

先月末にレセコン(レセプトコンピューター)のモジュール更新は済んでいて、改定内容に合わせてPCが自動的に動いてくれることが多いのですが、加算点数は患者さんごとに決める部分もあります。

改定で変更点がたくさんあると、加算関係の入力ミスも起きやすくなり、最悪は患者さんへの請求金額を間違えることにもなりかねません。

なので、毎年調剤報酬改定が近づくにつれて、局内には緊張が走ります。

薬局の事情

今回の改定では、事務側にとって嬉しいことに、変更になったことが少なかったのでとても助かりました。

改定内容で大きな変更点は、2つで、基本料と調剤技術料についてでした。

基本料は、医療DX推進加算が変更になっていました。

マイナ保険証を使った人の割合が高い薬局ほどプラスで加算できる点数ですが、うちの薬局は11月~1月までの割合が下がっていたので、DX加算2から3に格下げになりましたが、点数は今まで通りで変わりありません。

マイナ保険証を使う人がそこまで増えていないという、うちの薬局の現状のせいです。

20~30代の若い人は当たり前のようにマイナ保険証を使う方が増えましたが、7~80代以上の年配の人は、そもそもマイナンバーカードを作っていないとか、作っていても使いたくないという人が多い印象です。

7~80代の高齢者は、今更新しいことを覚える必要がないと考える人が多いような気がします。

私はそれが普通なのだろうなと思っているので、こういう人達にはマイナ保険証は勧めないようにしています。

それでも、80代で「マイナ保険証使えるよ」という人は何人かいて、すごいなと思うのですが、そういう人はかなり珍しいのです。

受付の時に高齢者の方への声掛けをためらってしまうのが、マイナ保険証使用率が伸びない原因なのかもしれないですが、私は仕方ないかなと思っています。

この加算は、基本料と連動して自動入力されるので、日々の入力でのミスの心配がないので変更されたからと言って特に心配することはありません。

基本料とは、薬局の設備や機能に応じて加算できる点数です。

処方箋をどれだけ受け付けているか、地域貢献に関する仕事をどれだけしているか、などいくつかの条件を薬局としてクリアすれば、処方箋受付当たりの加算点数、つまり基本料を増やせる仕組みです。

患者さんの立場でいうと、薬局で領収書と一緒にもらう、「調剤明細書」に記載されている基本料の点数が薬局によって違うと思います。

お薬代を少しでも安くしたいと思っている人は、他の薬局と基本料を比べてみるのも一つの方法だと思います。

調剤報酬改正での変更点のもう一つは、特定薬剤管理指導加算3のロの点数が上がりました。

後発品(ジェネリック)が販売されている先発品を使っている患者さんに対して、薬代の一部を保険適用外にする選定療養について説明をしたときの報酬で加算できる点数です。

点数が上がった理由は、変更時の患者さんへの説明だったり作業負担が多いからとのこと。

たしかに、長期収載品の選定療養が始まった10月以降、確認することが増えました。

選定療養の説明をしたときの患者さんの反応は、いろいろです。

「薬局に任せるわ」という人、「できるだけ安い方が良い」とはっきり言ってくれる人はすぐに希望に沿った対応をしやすいですが、どんなに説明しても「わからない」という考えから変わらない人や、最初から煩わしそうな反応をする人に対してはちょっと大変だな、と思います。

患者さんの請求金額を決めるために選定療養の説明は必要なことなので、対象者には全員もれなく確認します。

細かいことを聞かないといけないことは、いつも申し訳ないなと思っているので、快くこちらの話を聞いてくれて、明快な回答をもらったときはととても嬉しいのです。

患者さんも、最近、薬局から薬のことで聞かれることが多くなったと感じているかもしれません。

 

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