桜餅と桜味の話

仕事後、駐車場までの桜並木道を歩くと、風にのって花びらが舞っていました。

開花して2週間ほどですが、あっという間に桜の見ごろが終わっていきますね。

満開の桜はとても美しいですが、桜が散る風景の方が個人的には好きです。

自信満々に咲き誇っていた桜の散っていく姿が、どこか欠けていて儚げなのが、心に響くのかなと思いました。

仕事もできて周囲の人にも好かれていて完璧だと思っていた人にどこか欠けていたり、偏った一面を見つけると急に親近感が湧いたりしますし、魅力が増すように思います。

逆に、苦手だと思っていた人の思いもよらない良い一面を見つけると、急にその人のことが好きになったりしませんか?

ようするに、対象がヒトでもモノでも、私はギャップに魅力を感じるんですね。

人から「意外だね!」と言われると少し嬉しくなります。

桜といえば食べたくなるもの

桜を見ると食べたくなるものは、桜餅です。

通勤路に、昔ながらの和菓子屋さんがあります。

そのお店では、季節に合った大福やお餅が売られていて、お店のガラス戸に貼ってある手書きの張り紙で今何が売っているのかがわかるのです。

「桜餅」が今年最初に張り出されていたのは3月中旬位だったかと思います。その前は「イチゴ大福」でした。

イチゴ大福は人気なのか、「桜餅」が出た後も張り紙は残ったままなので、今のところどちらも買えるようです。

通勤路で毎日通っていて「桜餅」の張り紙が出ていることは知っていたので、桜開花後に(案の定)桜餅が食べたくなりお店に入ったら、なんと売り切れでした。

桜を見ながら桜餅を食べるというのは、みんな考えることなんだなと思いました。

桜餅を買う人全員が桜を見るとは限りませんが。

残念だけど、諦めるしかありません。

桜餅は、関西と関東では材料や食感が違いますね。

両者で共通なのは、あんこを包んだお餅の上から桜の葉の塩漬けが巻かれていることで、大きな違いは、お餅の材料が小麦粉か道明寺粉かの違いだそうです。

その店で売っているのは道明寺粉の方で、もっちりした食感の桜餅です。

私は生まれも育ちもこの地域なのですが、このタイプしか見たことないので、昔からこの地域に定着しているのだと思われます。

桜餅についている桜の葉の塩漬けは、苦手な人が多いような気がします。

私の家族では、和菓子嫌いな夫は当然苦手で、私の実の妹も苦手だったかな。

あんこを包んだお餅と合わせて食べると、甘じょっぱいのがとても美味しいと思うのですが。

桜餅が完売していたショックが大きく、自己消化できなかったので、近所のケーキ屋さんで桜味のロールケーキを一切れ買いました。

桜味の王者

帰宅してから娘を迎えに行くまでは、20分ほど時間があります。

コーヒーを淹れて買ってきたロールケーキを一人でもしゃもしゃ食べていると、2~3口は桜の風味が鼻から抜けてとても美味しかったのですが、次第に桜味が消えていきました。

そういえば、ミスタードーナッツで桜味の商品ありますよね。

最初の一口は桜の香りがするけれど、途中でプレーン味を食べている気分になりることがあります。

だいたいプレーンよりも季節商品は割高なので、なんか損した気分になります。

そういえば、昔食べた桜味のソフトクリームもそうでした。

食べているうちに、その店の定番の牛乳ソフトと同じ味になってくるのです。

嗅覚が慣れてしまうのでしょうか。

ということは、桜味とは、味ではなくて香りなのでしょうか。

調べてみると、桜味の正体は「クマリン」という桜の香りの成分だそうで、桜の花や葉にはほとんど味がないそうです。

「クマリン」は、桜の花や葉を塩漬けにして、乾燥させたものから抽出されるとのこと。

桜味の商品に添加されているのは、味ではなく香りだったのですね。

桜の葉には、味がないというのは驚きました。桜餅についている葉っぱには塩分があるので、味があると勘違いしていたのかも。

でも、香りと塩分も含めて味わうのが桜餅でしょう。

桜餅は、桜の葉のおかげか、食べ終わりまで桜味が持続する気がしています。

桜味スイーツのトップに君臨しているのは、個人的にはやっぱり、桜餅です。

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