調剤事務ママのなくもです。
先日、患者さんからこんな問い合わせがありました。
「マイナンバー持ってきたんだけど、お薬手帳は要らないんだよね?」
この質問に、薬局はどのように答えるかというと・・・
「いえ、お手数ですが、お薬手帳も毎回持参お願いします。」
「なんで?」とちょっと面食らう患者さんも多いですが、このような理由があります。
おそらく、全国どの調剤薬局も同じ対応だと思います。
厚労省のQ&A
厚労省のQ&Aにはこう書いてありました。
Q.マイナ保険証を利用すると自分の過去のお薬情報を確認できると聞いたけど、
どうすればいいの?お薬手帳は不要になるの?A.マイナ保険証を利用すると、過去1ヶ月~5年の間(※) に処方・調剤された分のお薬情報を、自身のマイナポータルや対応する電子版お薬手帳を通して確認できます。
厚生労働省https://www.mhlw.go.jp/content/001230252.pdf
※電子処方箋対応の医療機関・薬局では即時~5年の間の情報を確認可能。
なお、自身で購入されたOTC医薬品などはマイナポータルで確認できないため、お薬手帳での管理が有効です。
OTC(市販薬)はお薬手帳管理
OTCとはドラッグストアなどで売られている市販薬のことです。
みなさんは、自分で買って使っている市販薬をお薬手帳に記録していますか?
調剤薬局でお薬をもらう場合、お薬の内容が書かれたシールをお薬手帳に貼ってくれることが多いと思います。
一方、市販薬を買う場合は、自分でお薬手帳に記録する人は少ないのではないでしょうか。
私は1日の処方箋受付枚数平均40枚の薬局に勤務していますが、月に1人見かけるかどうかくらいでかなり少ない印象ですね。
薬剤師は、お薬手帳と患者さんへの聞き取りによって常用している市販薬やサプリメントを把握し、処方薬との相互作用がないか確認しています。
処方薬を安全に飲むために大事なことは、今常用しているすべてのお薬・サプリメントを薬剤師が把握することなのですが、自分の手で記録するのはちょっと面倒なので私自身も忘れがちです。
常用しているものあればその物の名前を記録しておくことで、調剤にあたる薬剤師は、お薬手帳を見て正確な判断ができるようになります。
院内処方でもらうお薬も
クリニックや診療所、歯科では処方箋なしで院内でお薬を出すパターンも多いと思います。
院内で出たお薬については、お薬手帳管理していない人も多い印象です。
電子処方箋管理システムを導入していない医療機関の院内で出すお薬ついては、即時に情報は共有されません。
電子処方箋システムを導入率
薬剤情報は、電子処方箋管理システム対応の医療機関・薬局が調剤情報を送信することで、共有できるようになります。
もし、調剤薬局に電子処方箋管理システムがあれば調剤情報は送信されるので、処方元の医療機関が電子処方箋対応をしていなかったとしても共有できます。
しかし、いまのところ電子処方箋導入があまり進んでいない問題があります。
全国のオンライン資格確認の導入率は、100%近くまでになりましたが、電子処方箋導入率はかなり低く、18%ほど(2024年10月時点)
調剤薬局のみのの導入率は、44%だそうです。
政府は、2025年3月までには、全ての医療機関・薬局で導入する方針のようです。
全国処方箋管理システムの導入が進むまでは、引き続きお薬手帳での自己管理が必要になってくると思います。
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